人の精神的な寄り所は音楽であったり、本であったり、仕事であったり、山川湖海であったりするが、唯一人に寄り添うことはできない。なぜ、なぜ人に寄り添うことができないのか?それは、人が非常に複雑で冷淡な生物だからであり、変わりやすさが本質だからである。人を精神的な寄り所にするなら、それは人の心を塞ぎ、人の性を貫こうとすることであり、十中八九は空振りに終わるだろう。安定しないものに依存し、過度な期待を抱くなら、必ず傷だらけになり、失敗に終わる。人生は元々孤独な旅であり、すべての関係は本質的には段階的な付き合いに過ぎない。私たちはそれぞれの関係を大切にし、良く扱うことはできるが、依存することはできない。人生の本質は一人で生きることであり、他者に対して過度な期待を抱いてはいけない。他者が犯す誤りや道を外れることを見ることが最大の執念であり、常に他人の因果を修正しようとすることになる。どんなに自分のレベルが高くても、他者を安易に導いてはいけない。たとえそれが兄弟姉妹や親しい人であっても、誰もが自分の課題を持っているため、他人の課題を肩代わりしてはいけない。各自は一定の水準内でしか考えられず、自分の認識の範囲内で生きているため、自分の思考の監獄に囚われている。ましてや、大部分の人々はより良い睡眠のために生きており、覚醒のために生きているわけではない。夏の虫に氷を語ることはできず、夏の虫に雪のことを
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